終わってみれば3時間半の安産だったけれど、壮絶な3時間半だった。
奥さんを支えている間、ふと周りを見回した時の家に差し込む光や蚊帳を揺らす風、遠くから聞こえるあかりと親戚のこどもたちの声などの風景が美しかったこと、これからこの家で生まれてくることがすごく自然に感じられたことが今も記憶に残っている。
少し時間がたっていろんな人から自宅出産はどうだったか聞かれる。
まずはコロナ禍でも生まれた日から家族4人で一緒にいられることが良かった。
この家で産んであげられたことが良かった。
覚えているか、わからないけれど妹が産まれてくる時を娘に見せることができてよかった。
でもともかく無事でよかった。
野沢裕