以前にこちらで書いた通り、わが家のプランでは、1階はほとんど(42㎡=約23畳)が土間。
▲左下の寝室と左のお風呂以外は全て「土間」という思い切ったプラン
これまで僕が見てきたDWELL川畑さんがプランした土間のある家はほとんどが「板土間」で、僕も板土間は好きなのですが、一つ不安な点がありました。
それは、わが家は犬を飼っていて(チーズ/5歳/♂)人懐っこくてとってもいい子なのですが、このチーズが結構な頻度で「粗相」をすること。
「マルチーズ」と「ミニチュアダックスフント」のハーフなのですが、ミニチュアダックスフントがかなり粗相の多い血統らしく、その血が強いのかもしれません泣
わが家の愛犬・チーズ
そんなわけで、板土間だと、もし板と板の隙間にチーズのおしっこが流れ込んでしまったらどうしよう・・・、そう考えると気が気じゃありません。
家づくりの当初、川畑さんにそのことを直訴して「じゃあ土間の床はモールテックスにしよう」ということになりました。
「モールテックス」は、最近人気のベルギーの左官材料。
モルタルのような仕上がりですがモルタルよりも強度があり、ほとんど割れることがないそうです。
また仕上げ材を塗ることで優れた防水性を持たせることができ、お風呂やプールの仕上げにも使われるほどです。
日本ではキッチンや洗面所の仕上げに最近よく使われています。様々な色がつくれるのですが、コンクリートのようなグレー色が圧倒的に人気なようです
このモールテックス、独特の艶のあるクールな仕上がりが魅力です。
施工にはコツが必要で、誰でも施工できるというわけではありません。
専門の左官業者さんに頼むとかなりのコストになることが多いようです。
わが家は土間の面積も広いので、お願いするとすごい額になってしまいます。
・・・ということで自分たちでDIYでやっちゃおうということになりました。
それで、かなり前ですが2020年7月、福岡での「オフィスTAKAHTA」さんによるモールテックスの研修会に参加してきました。
(「オフィスTAKAHTA」さんには研修後も何度も電話で質問に答えていただいて、大変お世話になりました。ありがとうございます)
研修会はオフィスTAKAHATAさんの倉庫内で開催。たくさんの左官屋さんで盛況でした
参加者は僕以外、全員プロの左官屋さん。
座学で詳しく教えていただいて、途中、実際にコテで塗ってみる時間も。
この日初めてコテを触った僕。当然ながら本職の左官屋さんに比べると、だいぶおぼつかないコテさばきでした。
研修自体は、親切に教えていただきとても楽しかったんですが、
・・・とりあえずやり方は何となくわかったものの、これは結構難しそうだぞ〜。本当にDIYでできるんだろうか?
そんな不安が少し残ったのでした。
(施工が終わった今となっては「大丈夫。応援を頼めば何とかなる!」と教えてあげたいのですが、全く何も左官の知識が無いところにあまりにも大量の情報を聞いたので消化しきれず不安になってました)
そうしてずっと少し気がかりなまま半年以上の月日が流れ、2021年3月末頃からそろそろ土間のモールテックスを準備しなきゃということになり、施工方法をネットの動画やHPで頭に叩き込んだり、どんな塗り方にするか、仕上げ材は何にするか、段取りはどうするか、誰に協力してもらうか等、頭の中はモールテックスのことでいっぱいの日々をしばらく過ごします。
そして、施工に間に合うギリギリの日まで何色も自分で作ってみたサンプルの色から、最終的にはDWELL川畑さんにどの色にするかを決定してもらいました。
何回も作った色サンプルの一部。材料の攪拌の工程が多く、乾くのに時間もかかるので、一つの色を試すだけでけっこうな時間がかかります
決めてもらった色は「キャメル色(らくだ色)」。
この色に決まりました
僕にとっては結構意外なセレクトでしたが、色んな段取りで若干疲れていたので汗、決めてもらった時は「やっと決まった!」と嬉しかったです。
色サンプルをたくさん作り過ぎて、しかも思うような色が出なかったので自分ではどれがいいのかさっぱりわかりませんでした汗。
そうして、実際の施工は、コテを使った左官仕事は、大工の三窪さんと今村くん、三窪さんと仲のいい薩摩川内市の塗装屋・宮野さんの3人にお願いできることになり、僕は材料の調合に専念することにしました。
とにかく初めてのことで道具の手配・準備なども、無我夢中でやってました。
そして施工前日、塗装屋の宮野さんに、施工する床の合板の継ぎ目に「グラスファイバーテープ」を貼ってからパテ埋め(全体を平滑にするために必要なところにパテを塗る作業)をしてもらい、そのうえで全面にシーラー(施工面とモールテックスの密着性を高める塗料)を塗ってもらいました。
施工前日のようす
そして翌日からいよいよ実際の施工なんですが、長くなったので、次回に!
